犬が水をたくさん飲むのは要注意!多飲多尿を引き起こす病気とは?

多飲多尿

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「最近、犬がいつもよりたくさん水を飲む」「気がつけば水の容器が空っぽになっている」そんなことを感じたことはありませんか?

季節などの変化がないにもかかわらず、急に飲む水の量が増え、それに伴いおしっこの量も増えたと感じる場合は病気のサインかもしれません。

ここでは多飲多尿の見分け方や多飲多尿を引き起こす病気、愛犬のために飼い主ができることを紹介していきます。  

犬の多飲多尿はどうやって判断するのか

犬がたくさん水を飲み、たくさんおしっこをすることは健康なことと思いがちですが、この多飲多尿は様々な病気の初期症状の一つとして起こることがあります。

しかし、飲水量は気温や湿度でも変わり、運動後には一時的に増えることもあるので、病気のサインとして見落としやすい症状です。

では多飲多尿はどうやって見分けるのでしょうか。

犬の多飲多尿を判断する目安

多飲

飲水量が1日(24時間)で体重1kg当たり100ml以上

多尿

尿量が1日(24時間)で体重1kg当たり60ml以上

こちらはあくまでも目安ですが、飲水量が一時的に増えるのではなく数日持続している場合や、いつもよりあきらかによく飲んでいるなどの症状が見られるときは多飲多尿が疑われます。

まずは飲水量や尿量が本当に増えているのか確認してみましょう。

飲水量と尿量の量り方

飲水量

まず水を計量カップで量ってから容器に入れ、何cc入れたかメモを取っておく。

24時間後に容器の水が何cc残っているか量り、容器に入れた水の総量から残っていた水の量を差し引くと1日の飲水量が分かります。

(※飲水量を測定する際は、水を大きい器に入れ空にならない様に注意が必要です。)

尿量

排尿後のペットシーツの重さを量ることにより、おおよその尿量を確認することができます。

とはいえ、正確な飲水量・尿量を量るのはなかなか難しいですよね。そこでチェック項目をいくつか挙げてみました。

多飲多尿のチェックポイント

飲水量や尿量を測るのが難しい場合は以下のチェック項目に当てはまるものがないか確認してみて下さい。

  • 水をいれた器がすぐに空っぽになる
  • ペットシーツを頻繁に交換するようになった
  • おもらしをするようになった
  • おしっこの色が薄い
  • ペットシーツのおしっこが水たまりのようになる

このように病気の時は飼い主さんが「いつもと違う」と感じるような明らかな変化が起こっています。チェック項目に当てはまる症状がある時は一度獣医師に相談してみて下さい。

また犬が一日に必要とする水分量や、通常時の飲水量を把握しておくことも大切です。愛犬の適正水分量の求め方などをまとめた記事があるので参考にしてみて下さい。

犬の1日の水分量 犬の1日の水分量は?水の重要性や体に与える影響

犬が多飲多尿になるのはなぜ?

犬の多飲多尿には、「水をよく飲むからおしっこが出る」よりも「おしっこが出るから水をよく飲む」場合の方が多いと言われています。

おしっこを作るのは腎臓の働きです。何らかの原因で腎臓の働きが低下するとおしっこが薄くなり、たくさんのおしっこが排泄されることになります。すると喉が渇き水をたくさん飲むようになります。

飲む水の量を制限するのはダメ!

おしっこがたくさん出るからといって与える水の量を減らすことは絶対にしてはいけません。

病気が原因で多飲多尿になっている場合は下手に水を制限してしまうと脱水症状をおこしてしまったり、病気を悪化させてしまう危険があります。水の飲み過ぎでおしっこをするわけではないことを十分に理解しておかなければなりません。

犬の多飲多尿を引き起こす病気

犬の多飲多尿は様々な病気の症状のひとつとして起こります。多飲多尿が表れる代表的な病気を見ていきましょう。

糖尿病

すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの分泌が減少したり、働きが悪くなる病気です。その結果、血液中の糖を細胞内に取り込んだり、エネルギーに変えることができなくなるので血糖値が高くなります。

初期には多飲多尿、食欲旺盛なのに痩せるなどの症状がでます。次第に衰弱していき末期には感染症や白内障、多臓器不全を引き起こす病気です。

肥満や慢性すい炎が原因となり発病します。

症状

多飲多尿、よく食べるのに痩せる、下痢や嘔吐

かかりやすい犬

トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ゴールデンレトリバーなど

犬種問わず加齢によって症状が現れることが多い

クッシング症候群副腎皮質機能亢進症

コルチゾールという副腎皮質ホルモンが過剰になっておこります。脳下垂体にできた腫瘍のほか、ステロイド剤の大量投与が原因で引き起こされることもある病気です。糖尿病を併発することもあります。

症状

多飲多尿、食欲増加、お腹が膨れる、左右対称の脱毛、筋肉が萎縮し動きが鈍くなる

かかりやすい犬

プードル、ダックスフンド、ビーグル、ボストンテリア、ポメラニアンなど

中齢以降(8才以上)の犬がなりやすい傾向にある

尿崩症

脳下垂体から分泌され、尿をコントロールする抗利尿ホルモンのバランスがくずれ、かなり極端な多飲多尿状態になります。新脳の下垂体の腫瘍や先天的な抗利尿ホルモンの異常が原因で引き起こされます。

症状

際限なく水を飲み続ける、水のような薄い尿をする

かかりやすい犬

全ての犬種

子宮蓄膿症

子宮内に細菌感染がおこり膿がたまる病気です。進行すると腹膜炎、腎機能の低下、子宮破裂などで死に至る場合があるので早期発見が大切です。

症状

多飲多尿、陰部から膿がでる、お腹が膨れる、食欲不振、嘔吐、発熱

かかりやすい犬

避妊をしていない中齢〜高齢のメス

慢性腎臓病

数ヵ月から数年という長い期間で徐々に腎臓機能が低下していきます。初期症状はほとんど現れず、症状が現れてくる頃には腎臓の機能が50%以上失われている可能性があります。末期になると老廃物をまったく排出できなくなり、尿毒症を起こします。治療をしても腎臓の機能は戻りません。早期発見が何より大切です。

症状

多飲多尿、食欲不振、下痢、嘔吐、アンモニアのような口臭

かかりやすい犬

すべての犬種、高齢の犬で発生率が高くなる

多飲多尿が表れる病気には完治が難しく、一生涯付き合っていかなくてはならないものが多いです。なかには緊急性の高い病気もあるため、愛犬の行動を日々観察し、早期発見に努めましょう。

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飼い主にできること

前述したように、多飲多尿は様々な病気の初期症状としてあらわれます。大切なのは多飲多尿を引き起こす様々な病気を進行させないことです。多飲多尿の症状がみられたら様子をみずにできるだけ早く動物病院を受診してください。

尿検査をしてもらおう!

動物病院を受診する際、できれば朝一番で採取した尿を持っていくと検査もスムーズに進みます。

また定期的に尿検査をしておくと病気を早くみつけることができます。

多飲多尿が原因となる病気は自然に治ることはありません。なるべく早く対処することで、あらゆる病気の早期発見や早期治療に繋がります。

犬は体の不調を言葉で伝えられません。しかし多飲多尿はいつも愛犬の様子を見ている飼い主さんだからこそ気づくことができる病気です。ふだんから犬の行動や飲水量を把握し少しの変化に気付いてあげられるようにしましょう。