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「愛犬とはできるだけ一緒にいてあげたい」と願っても、共働きや一人暮らし、急な外出などで愛犬にお留守番をしてもらわなければならない時があります。
そんなとき、犬は何時間くらいなら、ひとりでお留守番させても大丈夫なのでしょうか?
また、留守番中は寂しがるのではないか、体調は大丈夫だろうかなど、飼い主さんも心配になりますよね。
今回は、愛犬が少しでも快適にお留守番ができるように、また飼い主さんも安心して外出できるように、時間の目安や注意点、対策などを紹介します。
この記事でわかること
- 犬にとってのお留守番とは
- 犬がお留守番できる時間の目安
- お留守番に必要なトレーニング
- 犬にお留守番させるときの注意点
- 犬が長時間お留守番する場合の対策
犬にとってのお留守番とは
犬は元々群れで生活する動物のため、ほとりぼっちでお留守番をするのは苦手なのです。
そのため、飼い主さんの姿が見えないことや気配を感じられないことに、不安感や孤独感を感じてしまう犬もいます。
また、不安や孤独を強く感じる犬は「飼い主さんとは一生会えないのではないか」と思い、心身に影響を及ぼすこともあります。
できるだけ犬にストレスなくお留守番をしてもらえるように、まずは愛犬の不安や寂しさを理解することが重要です。
犬の時間の感じ方
本来、犬には時間の感覚がなく、ただ「今この瞬間を生きている」と言われていました。
しかし最近の研究では、私たち人間の1日が24時間周期に対して、犬の1日は7時間周期で過ごしているのではないかと言われています。
ボクたち犬にとって、人間の1日は約3日に相当するんだよ!
朝から夕方まで仕事や外出で家を不在にする場合、犬にとっては丸一日飼い主さんと会えないという訳です。
ある研究では、長時間一人で留守番する犬は、短時間留守番をしている犬よりも熱心に飼い主に甘えることが分かっています。
そのため、人間にとってはたった1時間のお留守番でも、犬にとっては長時間のお留守番になっているのかもしれません。
犬にお留守番をさせるときは、犬の時間の感じ方も考慮しなくてはなりませんね。
犬がお留守番できる時間の目安
基本的に元気で健康な犬は、最長で12時間程度お留守番ができると言われています。
ただし、これはあくまでも最長の限界時間であり、年齢、性格、食事や排泄などの生活習慣によってかなり変わってきます。
犬の年齢や体調、生活環境に応じて、その子に合った時間でお留守番をさせることが大切です。
子犬の場合
子犬がお留守番できるようになるのは、生後3ヶ月くらいから。お留守番時間の目安は3~5時間程度です。
その理由は排泄と食事のペースにあります。
排泄
子犬は2~3時間おきに排泄のリズムがあるため、長時間の留守番になると、あちこちで排泄をしてしまったり、食糞をしてしまうことがあります。
そのため、トイレトレーニング中のお留守番は3時間以内にしておきましょう。
生後6ヶ月頃には排泄の間隔が5時間おきくらいになるので、5時間程度のお留守番も可能になってきます。
ボクも赤ちゃんのときは、ウンチまみれになってたこともあったなぁ
食事
生後6ヶ月までの子犬は、食事を1日3回~4回に分けて与える必要があります。
なぜなら、食事の間隔が長くなれば低血糖を発症しやすくなりますし、一度に多く食事を与えると、消化器官が未発達なため下痢や嘔吐を引き起こすことがあるからです。
そのため、6ヶ月までの子犬のお留守番は、5時間以内にとどめておきましょう。
子犬にいきなり長時間のお留守番をさせてしまうと、大きな不安やストレスを感じ、体調を崩してしまうことがあります。
上記の時間はあくまでも目安として、できるだけひとりにならないようにするのが理想です。
成犬の場合
1歳以降の成犬の場合は、排泄や食事の間隔が長くなるため、お留守番時間の目安は6~8時間になります。
留守番のトレーニングをした犬は、最長12時間までお留守番ができると言われていますが、犬の負担を考えると、12時間以上の留守番はさせないようにしましょう。
シニア犬の場合
7歳以上のシニア犬でも、健康であれば成犬と同じようにお留守番が可能とされています。
しかし、体調が急変することがあったり、粗相や鳴き続けるといった行動が起き始めることもあるので、長時間のお留守番は避けるようにしましょう。
また、介護が必要な寝たきりの犬なら、オムツを付けていたとしても、2時間が限界です。
寝たきりの犬はできるだけ、ひとりにさせないことが大切です。
犬のお留守番に必要なトレーニング
愛犬に上手にお留守番をしてもらうために、次のようなトレーニングをおきましょう。
トイレトレーニング
決められた場所に排泄ができるようにするトイレトレーニングは子犬を迎えたその日から始めましょう。
子犬は2~3時間おきに排泄をします。そして子犬が排泄しやすいタイミングは
- 寝起き
- 食べた後や飲んだ後
- 遊んだ後
また、匂いを嗅ぎながらウロウロしたり、隅っこの方へ行ったりするのは排泄のサインです。
排泄前のしぐさをよく観察し、タイミングよくトイレに誘導できるようにしましょう。
声をかけながら排泄を促し、成功したら褒めてあげます。
これを繰り返しているうちに、徐々に決められた場所で排泄できるようになり、飼い主さんも帰宅後の掃除が楽になります。
ちなみにボクは「しつけるシーツ」というペットシーツを使ってトイレを覚えたよ!
クレートトレーニング
クレートはお出かけの際に犬を安全に運ぶために使用されますが、お留守番の時にも役に立つアイテムなのです。
もともと犬の祖先は、洞穴を住みかにしていたため、体が囲まれた狭い場所を好む習性があります。
クレートは洞穴のような空間に似ているため、本能的に安心できる居場所となるのです。しかし、犬が慣れていない状態で中に入れようとすると、怖がらせてしまうので、少しずつ慣れさせることが大切です。
- おやつやおもちゃを使ってクレートの中に犬を誘導する
- 犬がクレートの中に入ったら、扉を開けた状態でおやつをあげる
- 犬が自らクレートの中に入るようになったら、扉を閉めておやつをあげる
これを繰り返し、扉を閉めたクレートの中にいられる時間を徐々に延ばしていきます。
クレートの中に入れておくことで、いたずらや誤飲、脱走の心配がなくなるといったメリットがあります。
30分~1時間程度の短いお留守番であれば、クレートのでも落ち着いて過ごすことができます。
長時間のお留守番になる場合はクレートとサークル又はケージとの併用をおすすめします。
お留守番トレーニング
集団行動を好む犬は、ひとりぼっちが苦手。
そのため、飼い主さんがいない状況に慣れてもらうことが必要です。
初めは30秒~1分程度、犬とは別の部屋で過ごす、少しの間外に出るなどして、犬がひとりで過ごす時間を作ります。(この時、犬が吠えてもすぐに戻ってはいけません。)
大人しく待っていたら静かに褒めてあげましょう。
これを繰り返し、徐々に家を空ける間隔を長くしていきます。
大切なのは「飼い主がいなくなっても、必ず戻ってくる」ということを犬に覚えてもらうことです。
犬にお留守番させる時の注意点
犬にお留守番をさせるときに、どのような事に注意すべきなのでしょうか。
犬が安全で快適に過ごせるように、以下の点に注意して、環境を整えておきましょう。
犬の安全を確保した環境に
外出前に室内に犬にとって危険な物がないか必ずチェックしましょう。
- 誤飲・誤食をしてしまいそうなものを撤去
- 感電や火傷の恐れがあるコード類はカバーをかける
- 家具が倒れないように固定する
- 火災につながる電化製品のプラグを抜いておく
- トイレトレーはカバー付きタイプにする
犬のお留守番で最も多い事故は、誤食・誤飲と言われています。
ゴミ箱の中をあさったり台所の生ごみを食べてしまった、家具をかじって綿などを食べてしまった、犬にとって危険な観葉植物を食べてしまったなど、様々な事故があります。
犬が口にすると危険な物は届かないところに片付けておきましょう。
また、事故や火災につながるものは、あらかじめ適切な対策をしておく必要があります。
お留守番中は特に、犬が安全に過ごせる環境作りを心がけましょう。
部屋の室温・湿度に注意する
犬にお留守番をさせる際は、快適に過ごせるように、室温と湿度を調節しておくようにしましょう。
特に犬は寒さより暑さに弱い生き物なので、夏場は熱中症にならないように室温・湿度には十分注意してください。
また、寒暖の差が激しい季節には、出かけるときは涼しくても、帰る頃には暑くなることがあります。
外出時から帰宅までの室内の温度変化にも気を付けるようにしましょう。
家を出るときはさりげなく
飼い主さんが出かける直前に必要以上に声をかけたり、かまったりしてしまうと、犬の寂しい気持ちを助長してしまいます。
たとえ犬が飼い主さんのお出かけを察知して、ソワソワしても構わずにさりげなく家を出るようにしましょう。
また、帰宅後は愛犬が落ち着いてから、たっぷり可愛がってあげましょう。
おもちゃの中におやつを入れられるタイプのものを与えると、おやつに夢中になっている間にサッと出かけることができます。
大切なのは、お留守番は特別なことではなく、ごく普通の生活パターンと認識させることです。
犬が長時間お留守番をする場合の対策
愛犬と共に過ごす時間は飼い主さんにとってもかけがえのない時間です。しかし、共働きや一人暮らしなどで、やむを得ず愛犬に長時間お留守番をさせてしまうこともありますよね。
そんなとき、犬も快適に過ごせ、飼い主さんも安心して外出できるように、お留守番対策やおすすめのグッズをまとめてみたので参考にしてみてください。
サークルやクレートを設置する
犬は狭い場所を好むからといって、長時間狭いサークルやケージに閉じ込めておくことは、おすすめできません。
寝床とトイレをある程度離して設置できるような広さのあるサークルを準備し、中に安心できる寝床としてクレートを併用すると、犬も落ち着いて過ごすことができます。
また、犬をサークルに入れておくことで、イタズラや誤飲・誤食を防ぐことができ、飼い主さんも安心できます。
トイレトレーはカバーのあるものにする
留守番中、犬がトイレシートをビリビリに破いてしまうことがあります。
トイレシートは犬が消化できない素材でできており、中には吸水ポリマーが入っています。
吸水ポリマーは水分を吸収するとゼリー状になって膨らみ、固まる性質があります。万が一犬が大量に飲み込んでしまえば、胃の中で水を吸って膨らみ、胃腸に詰まってしまう恐れがあるのです。
そうならないためにもメッシュ付きのトイレトレーをおすすめします。
また、留守番中はトイレシートを交換することができないため、広めのトイレトレーを用意してあげるとよいでしょう。
ボクはトイプードルだけど、ワイドサイズのトレーを使っているよ!
お水を用意しておく
お留守番中に水がこぼれてしまえば、犬は水分補給ができず、脱水症状を引き起こす危険があります。
水をひっくり返したりする場合は、安定性の高い器を使用したり、ケージやサークルに取り付けられるタイプのものを使用するとこぼれる心配がありません。
また、いつでも新鮮な水が飲めるように、自動給水器もおすすめです。
犬を退屈させない為の工夫をする
おもちゃ
お留守番中におもちゃを与えておけば、飼い主さんがいなくなっても寂しさを紛らわすことができます。
犬用のおもちゃは誤飲の危険がない安全なもの、犬が夢中になって遊ぶ工夫がされているものを選びましょう。
散歩
お留守番前にしっかり散歩をしておくことで、体が程よく疲れ、留守番中に寝て過ごす時間を長くすることができます。
また散歩はストレス解消になり、排泄も済ませておくことで、いたずらや粗相を減らすことができます。
ペットカメラを設置しておく
外出先から愛犬の様子をいつでも確認できるように、ペットカメラを利用するのもおすすめです。
多くのペットカメラはスマートフォンから操作が可能で、いたずらを注意できたり、遠隔操作でごはんをあげたりすることもできます。
犬の安全を見守り、飼い主さんの不安を解消する心強いアイテムになるでしょう。
また、愛犬がひとりの時に何をして過ごしているのかを見ることも楽しみの一つになります。
ペットシッターやペットホテルを利用する
飼い主さんが長期間不在になる時は、ペットホテルやペットシッターさんに預かってもらいましょう。
急に預けることになってもいいように、事前に調べておくと安心です。
おわりに
「愛犬のそばにいたい」「ひとりぼっちにするのはかわいそう」と思ってはいても、愛犬にお留守番をしてもらわなければならない時がでてくるるものです。
愛犬にお留守番をさせるときは、できるだけ不安な思いをさせないように、トレーニングをおこない、徐々に慣れていってもらいましょう。
また、ストレスになりにくい環境を整え、愛犬が快適にお留守番できるようにしてあげたいですね。
共働きや一人暮らしの方、これから犬をお迎えしようと考えている方はぜひこの記事を参考にしてみてください。