犬の換毛期に知っておきたいお手入れ方法と抜け毛対策!

犬の換毛期

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犬の抜け毛は、飼い主さんの大きなお困り事のひとつ。

換毛期ともなれば抜け毛の量も増え、お手入れやお掃除が大変ですよね。しかし、この換毛期は人間でいう衣替えと同じようなもので、犬が夏や冬を健康に乗り切るためにとても大切なことなのです。

換毛期でも飼い主さんと犬が快適に過ごすには、日々のブラッシングが欠かせません。

そこで今回は換毛期に知っておきたいお手入れ方法や抜け毛対策を紹介します。

犬の換毛期はいつ?

犬の換毛期とは春(5〜7月)と秋(9〜11月)の年に2回、大量に毛が生え替わることをいいます。

この換毛期には日照時間気温が大きく関係しています。

春になり、日が長く暖かくなってくると冬毛が抜け落ち、密度の少ない夏毛に。そして秋になり、日が短く気温が下がってくると古くなった夏毛が抜け落ち、保湿性の高いふわふわとした冬毛に替わるのです。

室内犬は換毛期がずれる!?

近年は室内で飼われる犬が増えています。それにともない、冷暖房のある室内では気温差を感じにくくなり、換毛の時期ががあいまいになったり、換毛をしないというケースが増えています。

そうなると暑い時期に冬毛が残ってしまったり、寒い時期に冬毛が生えず体温調節がうまくできなくなります。

理想的な換毛ができるよう、散歩や日光浴で外気温の変化に触れさせることが大切です。

実はこの換毛期は全ての犬種にあるわけではないのです。ではどんな犬に換毛期があるのでしょうか。

換毛期があるのはダブルコートの犬

犬の全身を覆う毛を「被毛」といい、皮膚や体を守るという大切な役割を持っています。

人の場合、通常ひとつの毛穴からは1本の毛しか生えていませんが、犬はひとつの毛穴から7~15本もの毛が生えているのです。

被毛は生え方によって、オーバーコート(上毛)アンダーコート(下毛)に分けられます。

被毛の役割
  • オーバーコート(上毛):太くてコシのある長い毛。雨風や紫外線などの外的刺激から体を保護する役割がある。
  • アンダーコート(下毛):短くてやわらかい毛。保温、保湿の役割がある。

そして犬の毛にはダブルコートとシングルコートの2つのタイプがあります。

  • ダブルコート:オーバーコート(上毛)とアンダーコート(下毛)の両方をもつもの。
  • シングルコート:オーバーコート(上毛)しかもたないもの。

実は、換毛期に抜けるのはアンダーコート(下毛)なのです。だからダブルコートの犬は換毛期があり、シングルコートの犬には換毛期がないのです。

しかしシングルコートの犬は、一度に大量に毛が抜ける時期がないと言いうだけで、全く抜けていないわけではありません。

どんな犬の毛も一定の周期で発育と脱毛を繰り返しています。【成長期】→【退行期】→【休止期】の3期からなる周期を「毛周期」といい、換毛期ではなくても日々、毛の生え変わりが行われているのでお手入れをしてあげましょう。

短毛種の方が毛が抜けやすい!

毛周期には犬種差や個体差があり、抜け毛の量にも差があります。

長毛種は毛周期が長く、毛が伸びる成長期が長く続くため抜け毛は少なめ。

これに対し短毛種は毛周期が短く短期間で毛が生え変わるため抜け毛が多くなります。

下に日本でよく見かける、換毛期がある犬種とない犬種をまとめてみました。

換毛期がある主な犬種(ダブルコート)

換毛期がない主な犬種(シングルコート)

シュナウザーのようにダブルコートでもほとんど換毛しない犬種もいます。またチワワやパピヨンの中には同じ犬種でも個体によってダブルコート、シングルコートが変わる犬もいます。

このように毛が抜ける量は犬種や固体により差がありますが、愛犬に合うお手入れの仕方や、新しく犬を家族に迎える際の参考にしてみてください。

換毛期の抜け毛をそのままにしておくとどうなる?

換毛期のある犬種の抜け毛は半端なく多いです。放置しておくとダニやノミの温床になるだけでなく、抜け毛が絡まって毛玉やフェルト状になってしまいます。そうなると、皮膚が蒸れてしまい皮膚炎を引き起こすリスクがあるのです。

また、犬の抜け毛はふわふわで空中に舞いやすいためハウスダストの原因にもなります。飼い主さんや愛犬のアレルギーを引き起こす可能性があり衛生面でも注意が必要です。

換毛期以外の異常な抜け毛に注意!

毛周期による日々の抜け毛、季節の変わり目の抜け毛などは自然な現象ですが中には病気によって毛が抜けることもあるので注意が必要です。

原因としてホルモン疾患、ストレス、細菌やカビ、ダニによる感染症、自己免疫疾患、腫瘍、外傷などが考えられます。

気になる脱毛があれば動物病院で相談してみてください。

換毛期のない犬種も前述の通り、日々毛の生え変わりがあります。一度に大量に抜けることはありませんが、長毛種の場合は被毛が汚れたり、もつれて毛玉になりやすいためお手入れが必要です。

毛玉をほぐして取る作業は皮膚が引っ張られ痛みが生じたり、皮膚にブラシのピンが当たり皮膚を傷つけてしまうこともあります。

換毛期は特に入念なお手入れが必要ですが、日ごろからブラッシングをして抜け毛を取り除いてあげることが大切です。

犬の換毛期のお手入れ方法と抜け毛対策

犬の換毛期

換毛期の抜け毛はブラッシングが基本です。ブラッシングは抜け毛を取り除くのはもちろんですが、愛犬とのコミュニケーションや皮膚病の早期発見にもつながります。

犬にとってブラッシングの時間が心地よいものになるように、犬種に合ったブラシを使用することが大切です。

犬用ブラシの種類と選び方

犬用のブラシといってもいろんな種類があり、長毛種や短毛種、もつれ具合によって使用するブラシは異なります。

それぞれに合ったブラシをご紹介します。

スリッカーブラシ

スリッカーブラシ

一般的によく使用されているブラシで、ピン(針金)の部分がくの字に曲がっています。

ピンが毛の根元付近まで届き、毛玉をほぐしたり毛をすいたりするのに適しています。

長毛種、短毛種、ワイヤー種問わず全犬種に使用できる万能ブラシです。

皮膚を傷つけないように気をつけて!

スリッカーブラシのピン先は尖っているので皮膚を傷つけてしまうことがあります。柄の部分を鉛筆を持つようにし、ポンポンと軽くたたくように動かしましょう。

ピンブラシ

ピンブラシ

ピンがまっすぐで目も粗いため、毛が短いところや毛玉をときほぐすのには不向きですが、長い毛や細い毛を切る事なくブラッシングできる優しいブラシです。長毛種におすすめです。

ラバーブラシ

ラバーブラシ

ゴム製やシリコン製のブラシで、短毛種におすすめです。

ブラシ自体が柔らかく、皮膚を傷つける心配がありません。グローブ型で撫でるように使用するタイプもあります。

抜け毛を取り除くのに効果的でシャンプー中にも使用でき、マッサージ効果も期待できます。

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獣毛ブラシ

獣毛ブラシ

獣毛ブラシは静電気が起こりにくく、細かい毛を取り除いたり、仕上げとして毛艶を出すために使われるブラシです。

豚毛や猪毛を使用したものが多く、「豚毛」はほどよいしなやかさでやさしい使い心地から短毛種の犬におすすめ。「猪毛」は硬めでコシがあり、毛先までブラシを通してくれるため長毛種やくせ毛、巻き毛の強い犬種におすすめです。

獣毛ブラシのメリット

天然毛は動物同士がお互いの身体を擦りあって取るコミュニケーションと感覚が似ています。飼い主さんがやさしくブラッシングすることで安心感を与え、よりキズナが深まります!

コーム

コーム

コームは最後に毛の流れを整えたり、残っている毛玉や絡まりがないかをチェックするためのブラシです。

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スクラッチャーブラシ

アンダーコートを効果的に取り除くブラシです。

非常にたくさんの毛が取れるため換毛期のブラッシングを楽にしてくれるアイテムですが、やりすぎてしまうと健康な被毛まで取り除いてしまい薄毛になってしまうこともあり、使い方にコツがいります。

ブラッシングスプレーの併用がおすすめ

ブラッシングスプレーを使うとブラシの通りがよくなってブラッシングがしやすくなります。スムーズにブラッシングできると毛が引っ張られにくくなるため、犬の負担を軽減できます。

他にも、毛がふわふわになり艶を保てる効果や、静電気や毛玉を抑制できると言われています。

また、毛の飛散防止にもなり、お掃除が楽になりますね。

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ブラッシング以外の抜け毛対策!

抜け毛対策としてブラッシングは大きな効果がありますが、それでも完全には取り除くことはできません。日々のブラッシングと一緒にできる抜け毛対策をご紹介します。

シャンプー

シャンプーは抜け毛を洗い流すと同時に、汚れも落とすことができます。毛穴に汚れが溜まっていると抜け毛に繋がる可能性がありますが毛穴を洗うことで、今後の抜け毛予防にもなります。

また洗いながら皮膚の状態をチェックすることもできます。

シャンプーはブラッシング後に地肌までしっかり濡らし、シャンプーをよく泡立てて行いましょう。

服を着せる

犬が嫌がらなければ服を着させるのも一つの方法です。

毛が抜け落ちるのを防ぐと同時に、寒い時期には保温にもなります。暑い時期には通気性の良い素材やひんやり感を得られる素材の服で熱中症予防にもなりますね。

しかし服を着せると毛がもつれやすくなるため、着せたままにせず、こまめにブラッシングをしてあげましょう。

室内で生活する犬が増えている今、被毛のお手入れは健康的に生活する上でとても大切なことです。

また、毛がたくさん抜けるからと愛犬とのコミュニケーションが減ってしまうのも悲しいことです。

日頃からこまめなブラッシングを心がけ衛生的な生活環境を整えましょう。