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プニプニしていて可愛くてずっと触っていたくなる犬の肉球。癒しの象徴ともいえる肉球は犬の体を支えたり、元気に走り回れるようとても重要な役割をしています。
地面の一番近くで頑張っている肉球は外部からの刺激を受けやすく、傷つくと治りにくいのです。
愛犬が健康に過ごせるように肉球の役割やトラブル、ケア方法を知っておきましょう。
犬の肉球の構造
犬は靴を履きませんが、人間が裸足で歩くと痛いような場所でも平気で走っています。プニプニしているのに「痛くないの?」と心配になりますが、実際のところはどうなのかまず肉球の構造から見ていきましょう。
肉球にはそれぞれ名前がある
肉球は中央にある大きな部分1つと、その上にある小さな4つの部分で構成されていると思う方が多いですが、実は大きく7つ(うしろ足は5つ)に分かれているのです。
犬の肉球は、正六角形または正六角柱を並べた「ハニカム構造」になっています。このハニカム構造により体重を分散させ、負担を和らげる仕組みになっているのです。
プニプニの正体
肉球の表皮は分厚い角質層に覆われていますが、その下は脂肪と弾性線維(エラスチン)、膠原線維(コラーゲン)が混在した、やわらかくて弾力のある皮下組織から成っています。
また、肉球の中には血管や神経が多く存在しており、人間の手の平や足裏のように、触覚・圧覚・温度感覚・痛覚を感じ取ることができます。
肉球の硬さ
生まれたばかりの子犬の肉球はとても柔らかいですが、成長と共に硬くなっていきます。
ただし、ほとんど外に出ない室内犬はデコボコした場所を歩かないため、肉球は柔らかいままの犬もいます。
肉球の色
肉球の色は個体差があります。これには遺伝や色素沈着などが関係しています。
また成長過程で変化することもあり、子犬の頃はピンク色だった肉球が、だんだん黒くなっていく犬が多いとされています。肉球の色がまだらになったり2色に分かれたりすることもあるようです。
犬の肉球の役割
肉球は犬が健康に過ごすために重要な役割をしています。ではどんな役割があるかみていきましょう。
足への衝撃を和らげる
肉球を触るとプニプニとした独特の触感がありますよね。
その厚くて弾力のある肉球は、犬の全体重を支え、歩行時や高い所から着地した時にかかる関節や筋肉への衝撃を和らげるクッションの働きをしています。
地面の熱や冷気から体を守る
犬の肉球も敏感に温度の変化を感じ取ることができますが、その厚い肉球のおかげで多少の冷たい所や熱い所を歩いても温度が体に伝わりにくくなっています。
また、肉球の裏の静脈が冷えても、すぐ近くを通る動脈が血液を温め直すため、肉球の凍傷を防いだり、体が冷えにくくなっています。
すべり止めやブレーキをかける
犬の肉球の表面はツルツルというよりザラザラしていますよね。実は、肉球の表面には細かい突起が集まっており、この部分が滑り止めとして働いています。
これにより犬は凍った雪道や坂道でもすべらずに上手く走ることができます。また急な方向転換や急ブレーキもこの突起がスパイクの役割をしているからできるのです。
気をつけたい犬の肉球トラブル
犬の肉球の表面は硬くて丈夫にできていますが直接地面に触れるため、ケガや炎症などのトラブルが起きやすいのです。
そして肉球は全体重がかかるうえに、表面の血流が少ないため、傷がつくと治りにくい特徴があります。
どんな時にトラブルが起きやすいのか、以下のようなことに注意をしましょう。
乾燥やひび割れ
肉球は汗をかくことで乾燥を防いでいると言われてますが、硬い地面を歩いたり、冬など乾燥しやすい時期や年齢を重ねたりすることで表面が乾燥しひび割れてしまうことがあります。
また手足の洗いすぎや拭き取りすぎも肉球の皮脂や潤いまで落としてしまい乾燥につながる場合があります。ごしごし洗いに注意して、洗ったあとはしっかりと乾燥させ保湿をするようにしましょう。
やけど
犬の肉球は角質層が厚いため、ある程度の熱には耐えることができますが、全く影響がでないわけではありません。
人は靴を履いているので感じにくいかもしれませんが、真夏のアスファルトや砂浜の表面温度は60度を超える場合もあり、やけどしてしまう可能性があります。
夏の散歩は早朝か日が暮れてから行くようにし、出かける前には地面が熱くないか確かめるようにしましょう。
肉球の表面がいつもと違って赤くなっていたり、黒ずんでいるときはやけどをしている場合があります。見つけたら水や保冷剤で対処し、肉球が腫れ上がっている、水ぶくれができているときは重度のやけどをしている可能性があるのですぐに動物病院に相談しましょう。
ケガ
山や川、草むらなどの地面が見えにくい場所を歩くときは注意が必要です。ガラス片や金属片を踏んでしまったり、植物のとげが刺さってしまったりすることがあるからです。
周囲に出血の跡があったり、歩き方がおかしい、足を舐めているなど犬の様子を観察したり、散歩の後には肉球に異変がないか確認するようにしましょう。
最初は大したケガではなくても、舐めているうちに皮膚炎を起こしてしまうこともあるので早めに対処が必要です。
爪がささる
犬の爪は巻くように伸びていき、放置すると肉球や皮膚にささります。特に前足の内側にある狼爪は地面に触れず、すり減ることがないので必ず切ってあげましょう。
病気
肉球に症状が現れる病気があるので、肉球は犬の健康状態を知るバロメーターにもなっています。
症状:肉球が硬くなる
犬ジステンパー感染症という病気があります。致死率が高く、発熱や鼻水、咳、くしゃみ、嘔吐、下痢といった症状がみられ、ひどくなると麻痺やけいれんなどの神経症状も現れます。
この病気は、ハードパッドといって、鼻や肉球の皮膚が角質化して硬くなるのが特徴です。
症状:肉球を舐める
犬が頻繁に指の間や肉球を舐めている場合には、指間炎(しかんえん)を起こしていると考えられます。
肉球の汗や汚れ、雑菌の付着、アレルギー、ストレスなど原因は様々ですが、炎症が起きているところに痛みやかゆみを感じ、犬が舐めたり、噛んだりするので炎症がひどくなってしまいます。
犬の肉球ケアのポイントとお手入れ方法
清潔に保つ
肉球はまず清潔に保つことが大切です。散歩後、肉球が軽く汚れているくらいなら、濡れたタオルやウエットシートで拭く程度で大丈夫です。汚れがひどいときは水洗いをして、しっかり乾かしましょう。
肉球は濡れたまま放置すると汚れも付きやすく、雑菌が繁殖しやすいことから炎症を起こしてしまうこともあるので、洗うたびにしっかり乾かしてください。
また散歩から帰るたびにシャンプーしていると、皮膚のバリア機能が低下し皮膚病の原因になるので、やりすぎには注意が必要です。
肉球にかかる毛はカットする
肉球の間から生えている毛は冷えから肉球を保護する役割がありますが、家の中のフローリングではすべりやすく、関節を痛めてしまう原因になります。
バリカン前の写真は前回のトリミングから2週間経過したものです。たった2週間で肉球にかなり毛がかかっていますね。
すべり止めの役割がある肉球に毛がかかると、その機能が働かずにすべってしまいます。こまめにカットしてあげましょう。
おうちでケアする時はハサミより犬用の小型バリカンを使う方が、皮膚を傷をつけにくいのでおすすめです。また肉球の間の毛をカットするのは難しいので、表面にかかる毛をカットするだけで十分です。
犬用のケアアイテムで保湿する
肉球がカサカサで乾燥していると様々なトラブルがおこります。特に老犬の場合は乾燥しやすくあかぎれにもなりやすいです。そうなると痛みから運動が億劫になり筋力低下になりかねません。
犬が舐めても安心な犬用の保湿クリームでしっかりケアしてあげましょう。
肉球は犬が健康に過ごすための大切な器官です。その一方でトラブルも多いとてもデリケートなところでもあります。
日頃から清潔を心がけ、いつまでも健康な肉球を維持できるよう、しっかりケアをしてあげましょう。